うるとらんぷす

「チェルシー」という単語に対する反応が人より2.7倍速いチェルサポによる備忘録。

【BPL#16】"Back To The Way"~チェルシー v ハル・シティ~

リーグ戦の前節ついに初めて土をつけられたチェルシー、今回のお相手はハル・シティ。2位シティとの勝ち点差が3にまで縮まり背中を捉えられたことで、これからは一層どんな試合も落とせなくなってきました。

 


両者スタメンはこちら。チェルシーはセスクが前節イエローを貰ったことでサスペンション。新城戦に続いてミケルがボランチに入ります。ま たクルトワが練習中に筋肉系のトラブルを起こしたとのことで、チェフがゴールマウスに。対するハルは3-5-2という布陣。それではキックオフ。





ハルは「守備時は両WBが下がり5バック、攻撃時はWBがウインガーのような位置まで上がり3-3-4のような布陣を形成」というシステ ムによって、3バックの強みである「どの局面でも数的優位の状況をつくる」を目的としていたようでした。これにはWBの激しいアップダウン往復という運動 量が求められるわけですが、エルモハマディはプレミアでも名の通った無尽蔵のスタミナの持ち主なので、まあ手持ちの駒の特性をよく抑えた理にかなった戦い 方かなと。以前中継で解説の人が終盤の時間帯でもフルダッシュしてるエルモハマディを見て思わず笑っていたのをいまでも覚えてます。


対するチェルシーの攻撃の形として主に見られたのは、「ハルの3バックとWBの裏のスペースにイヴァノを走らせる」というものでした。
 
 
なお、例のごとくウィリアンは今季継続して行われている2列目の収縮によって中央や逆サイドに顔を出し、サイドの崩しはイヴァノ単独で行うシーンも少なくはありませんでした。


またビルドアップ時、イヴァノがあがってできた後ろのスペースはミケルが右SBのようなポジション取りをしてカバーをするような指示がされていたように思えました。マティッチアンカーの4-1-4-1のような布陣。

相手WBの裏のスペースを突いていくことをコンセプトに攻撃を組み立てていくと、7分に中盤でボールを奪い左でボールを持ったオスカーのクロスからBOX内に走り込んだアザールが頭で合わせて先制に成功。オスカーのクロスは一級品でした。お見事。


少し気になったのは左SBで起用されたルイス。寄せの速さだったりフィード・クロスの質は流石のものを持っているんですが、少々判断が遅 いかなと。特にハルはこの試合相当球際にインテンシティを持たせて守備をしていたので、ボールを持ってからのプレー判断に時間をかけすぎてプレスに引っか かったり、後方にボールを下げざるを得なくなったりというシーンが目立ちました。


失点直後ハルにアクシデント。3バックの一角ドーソンがハムストリングを痛め、負傷交代。監督の息子アレックス・ブルースがピッチに。それにしても父親に似すぎ。





◯ミケルの行く末
 
新城戦に続いて2試合ともに代役を務めたミケルに関して。正直足元の技術、「パスで相手のブロックを動かす」ということを考えると、やっぱりあ くまでも"代役"ではなく、応急処置としての起用になっていたのかなと思いました。ミケルはキープ力はトップクラスのものを持ってますけど、それは言うな らば「静」の要素であって、セスクのように前線までいってプレス隊に加わる、または楔を出してそのままリターンを貰ってBOXに侵入するといった「動」の 要素が入ったプレーを得意としていない(少なくともチェルシーにおいては)んですよね。なのでミケルには広いプレーの幅を求めるよりも、ごく狭い特定のプ レーエリアを与えたほうが、活動領域は狭くともそのエリアでだけは超特化したプレーを見せてくれる気がします。

モウリーニョが昨季エティハドでシティを破った時にマティッチ、ルイス、ミケルという3センターを敷いたり、今季多くがクローザーとして 起用されているところを見ても、ミケルは限られた時間帯で特定のプレーエリアを与えて特定のロールをあげるのが正解かなと。「20分限定だけどその20分 間だけは鬼」みたいな、そういう条件さえ満たせばものすごい力を発揮してくれるレアカード的な魅力がミケルにはあります。きっと。


 

後半になると、ハルの運動量がチェルシーを押しはじめます。特にトップ起用のアルーコは中盤にも降りて複数プレスに加担したり、その機 動力を活かしたドリブルで突破口を開かんとしたりと、割とチェルシーの選手たちは手こずっていた印象です。ヴィラのデルフみたいなプレースタイルだなあと 思ってましたが。

ハルが更に中盤にインテンシティをもたらすと、チェルシーとの中盤の制し合いで優位に立ちます。中盤の運動量がとにかく凄かった。

しかしハドルストンがインテンシティ出しすぎなタックルによりレッドカードで退場になると、流石に1人分を余計に補うだけの運動量はなく全体のラインを下げていきます。

退場の影響でハルはアルーコをベンチに。あのまま残っていたほうがチェルシーとしては嫌でした。

テンメンになったハルのブロックをパスで動かしながら、最後はコスタのゴールで追加点。勝負を決定づけます。ここ最近コンディション不良が心配されていたコスタに嬉しいゴール。

その後はドログバシュールレ、ラミレスを投入し、微量ながらターンオーバーをさせたモウリーニョでした。


FT:チェルシー 2-0 ハル・シティ|Hazard(7'), Costa(68')

内容こそ、そこまで褒められたものではありませんでしたが、確かに勝ち点3を獲得。コスタにゴールが戻ってきたのは好材料かなあ と。それと、ウィリアン、コスタ、ケーヒルと皆ダイブしてたので(ケーヒルはダイブで2枚目のイエローでもおかしくなかった)、その癖は治そう。そうじゃ ないとヤングのダイブいじりとか出来なくなっちゃうからさ。