うるとらんぷす

「チェルシー」という単語に対する反応が人より2.7倍速いチェルサポによる備忘録。

【BPL#17】"Amazing Brace"~ストーク・シティ v チェルシー~

 

世界中がクリスマスに思いを馳せるなか、イングランドでは男たちが今日も必死にボールを追いかけています。ボクシングデーという年末の超過密日程を前に、鬼門ブリタニアで勝利というクリスマスプレゼントを自分たち自身に贈ることができるかチェルシー

 


両者スタメンはこちら。ストークはショウクロスと並んでムニエサが先発。チェルシーはセスクを1列あげてミケルを3列目に配置した布陣。それではキックオフ。




ホームのストークはクラウチボージャンの2人を前線に置き、中盤から後ろは4-4で守る陣形。これに対しチェルシーはセスク、アザールが頻繁に最終ラインまで落ちることで確実にボールを保持。

開始からわずか2分、最初のコーナーのチャンスをJTが頭で合わせいきなり先制。昨季敗北を喫したブリタニアで何だかあっさり先制し ちゃったチェルシー。ストークはキャメロンがマンマークJTにつくも、バックステップ踏みながらあれだけの速度でヘッダー叩き込んじゃうJTのが二枚も 三枚も上手でした。ちなみにこのゴールがJTチェルシーでの60ゴール目。ほんと、苦しいときに決めてくれるキャプテン。頼りになります。

ヒューズが意図してかどうかは定かでないものの、この試合は序盤からトランジションの激しい、なんともプレミアらしい試合となりました。 トランジションの激しい中で際立つのはやはりマティッチ。ボールはカットするわタックル成功させるわで、相変わらずのボール回収機っぷりを披露。

コンビを組んだミケルもボージャンとアルナウトビッチの小手先ドリブルを涼しい真顔で阻止するという謎のスーパーフィルターとして大いに 貢献していました(なおパスの精度は平常運転)。スタッツを見ても、この試合チェルシーは合計で37のタックルという今季プレミアの全試合のなかで最多の タックル成功数を記録したようで、そう考えるとネガトラ問題を抱えるセスクを1列上げてボランチによりルーズボールを競れるミケルを起用したモウリーニョ は流石だったなと。


ストークは遅攻時、ムニエサが最終ラインでボールを持ちそこから攻撃が始まることが頻繁にありました。が、そこまで足元はなく、前線への 放り込みであっさりチェルシーにボールを譲ったりベゴビッチと連携が上手く行かずアタフタしたりと、チェルシーにとっては有り難いパフォーマンスでした。

放り込みを除けばストークの攻撃の起点となるのはボージャン(英実況は『ボヤン』と呼ぶ)。中盤のミケル&マティッチという危険地帯から 避けるようにしてサイドに流れていましたが、それでもそれなりに起点としてチャンスメイクやポゼッションという形に結びつけるあたりは流石といった感じ。 この試合はアルナウトビッチがそれはそれは酷い出来だったので、ボージャンくらいでしたかね、ボール持ったときにこわかったのは。


25分を過ぎたあたりから激しいトランジションの応酬は落ち着きをみせます。するとアルナウトビッチとは対照的に左サイドを蹂躙するアザール。この試合のアザールはほんとキレッキレでした。

コスタもサイド、時には中盤まで流れていく点在ポジショニングでボールの収めどころをつくっていきます。



ボランチの最終ライン吸収

両者球際に対して激しくアプローチをしていくなかで、後半ストークはチャーリー・アダムを投入しボールの供給を活性化。ホームの後押しも受けて同点弾を狙いにきたわけですが、ここでミケルとマティッチのボランチで守備に関して気になることがありました。
 


これは70分、アダムに決定的なチャンスをつくられたシーン。

ミケルとマティッチが完全に最終ラインに吸収され、BOX内に入ってしまっています。ストークの選手を見てもBOX内にいるのは3人なの で守る枚数は足りているはず。またこの贅沢守備に加えて確認できるのはセスクのネガトラ問題。セスクはネガティブトランジション(攻撃⇒守備への切り替え の動き)が遅いという弱みがあるので、完全にバイタルへのケアが遅れています。ちなみにアザールもネガトラは苦手。

試合に出ていなかった選手を引き合いにだすのもあれですが、今季はこういうところでオスカーがうまいこと守備のスペースの穴埋め作業を 行っているのでボランチの守備の補完もされています。まあこのストーク戦に限っては、アーティスト寄りのオスカーではなくウォーリアー型のミケルを選択す るといういつもとは少し味の違ったアプローチをしたので、オスカーが帰ってくればこの辺りも整備されてくるのかなと。



JTの1点をなんとか終盤まで守りきると、78分ミケルのこの試合初めてというくらい綺麗な楔がストークのボランチの間を抜け、アザール に。BOX内でコスタがDFを釣ってセスクに送ると、セスクが巧みなファーストタッチからゴール。追加点をあげ、勝利をほぼほぼ手中に収めます。

その後はシュールレドログバを投入し3点目のチャンスまでつくるもスコアは動かず。鬼門ブリタニアを攻略。勝ち点3を持ち帰ることに成功しました。


FT:ストーク・シティ 0-2 チェルシーJT(2'), Fabregas(78')

ここまで小まめにターンオーバーをしてきたモウリーニョのマネージメント力と月曜開催という日程にも救われ、チーム全体のコンディション は非常に良かったように思います。ストーク相手ということでミケルを配置し戦闘モードにしたのも功奏したのかなと。次は息つく間もなく西ハム戦が待ってま す。こちらも難敵。