うるとらんぷす

「チェルシー」という単語に対する反応が人より2.7倍速いチェルサポによる備忘録。

【PSM】"A Well-known Visitor"~フィテッセ v チェルシー~

欧州遠征をつづけるチェルシー、今回のお相手はお馴染みフィテッセさん。
このクラブとはオーナーの油さん絡みの付き合いなので、ご存知とは思いますが若手がローンに出まくります。「将来有望な〇〇選手がローン移籍。な おローン先は...」でもう十分に伝われるレベルです。この試合スタメン出場したヒンケルの古巣ということもあり、両軍お馴染みの顔を相手に、という試合 になりました。



 
この試合のチェルシーのメンバーはこちら。イヴァノのCB&セスクのトップ下を見てみようという布陣。2列目の合流がもう少し先ということで、トーレスが前の試合に続き2列目に入ります。それではキックオフ。



【前半】
この試合はいきなり先制を奪います。センターサークル付近でハイボールを競ったマティッチがそのおこぼれを貰い、裏に抜けたコスタにス ルー。GKと1vs1になったところで、併走していたサラーにパス。これをサラーが押し込んで先制。ハイラインを敷いていたフィテッセの裏を簡単に攻略。 ハイボールのおこぼれという若干アクシデント的な要因があったものの、これで先制に成功。

先制を許したフィテッセは、前さえ空けば積極的に中距離からのミドルを狙っていく作戦。これまでのプレシーズンの相手と比べて、流石に選手個人の技術だったり精度は違うなあと思いました。実際何度か危ない場面もつくられてましたし。

21分にはバイタル付近でボールを受けたコスタが相手DFからアフターを喰らい、FKのチャンス。何故かこのDF、自分からアフター チャージしたのにコスタに突っかかりにいくという。あれだよね、憧れのアントニオ猪木にビンタしてもらう的な。ファンサービス旺盛はコスタはしっかりとガ ン飛ばして応えてあげてました。

そしてそのFKをセスクが見事沈めて追加点。しばらくチェルシーに欠けていたプレスキッカーをようやくここで見つけました。マタという世 界有数のプレスキッカーを失って以降、もふもふしたブラジル人がニアにばかり行くコーナーを蹴っていたわけですが、セスクのキック精度の高さには改めてス ペイン人選手たちの足元の精密機械ぶりを見せ付けられました。

前半で目立っていたのは、コスタの気を遣ったプレー。前半から何度もサラーが裏へ抜けるために自分は少し下がってきてスペースを確保した り、DFを釣ってラインをコントロールしたりと、フィテッセのハイラインに対して上手く対応していたと思います。ストライカーとして点を取るのは勿論、こ ういう風に2列目とうまく絡みながらチャンスを創り出すタイプのストライカーを欲していたんですよね。かなり早い段階でチームに馴染んでいるなあという印 象でした。前半は2-0で折り返します。



【後半】
後半からはルイスに代わってJT。イヴァノが右SB、クエ太が左SBにシフトします。
さらにヒンケルロメウと交代。古巣ということで、フィテッセサポからも盛大な拍手を受けるヒンケル

この試合、前の試合同様セスク、ヒンケル、マティッチはいい関係を見せていたんじゃないかなあと思います。
きっとそれぞれ役割というか強みが違うので、それが上手いこと嵌っている印象です。セスクはこれまで探していた「組み立てられる3列 目」、ヒンケルは「フィニッシュにも絡めるBOX-to-BOX」、そしてマティッチは「ボール奪取からチャンスまで直結させることができるアンカー」と いう具合。プレシーズンの使われ方を見る限りでは、この中盤の構成はモウリーニョ的にも軸として考えてるんじゃないかなあと。ライン低めに引いてくる相手 (昨季ポイントを落とした西ハムやクリスタルパレスのような)には少し攻撃に比重をかけたロメウ&セスクコンビとか、そういう棲み分けの可能性も感じまし た。

3点目はマティッチがハイプレスを成功させ、高い位置でボール奪取からコスタとの連携でゴール。この試合、セスクのFKのきっかけとなっ た被ファールもアシストと考えれば3点全てをアシストしたことになるコスタ。ドログバも実はアシスト相当決めてたんですよね。良い兆候じゃないかと思いま す。

その後は若手を中心に投入し、ベイカーの3列目も見れたりとなかなかこれまでにないポジションを試したりもしていたので面白かったです。終了間際、クロスをファーから折り返され、そこに詰められての失点で1点を返されますが、全体的には危なげなく勝利。



【FT】:フィテッセ 1-3 チェルシー|Djurdjevic(89') / Salah(4'), Cesc(24'), Matic(76')

コスタ、セスクが早速チームに馴染んでいるようでなにより(エヴァさんと踊ったことは許さない)。あとはもう少しルイスのエンジンがか かってきて、そこからも試合をつくれるなんてことになれば、来季は十分期待できるんじゃないでしょうか。ローン組もスウィフトやカクタなど徐々に修行の場 が決まっているので頑張ってほしいですね。最後に、エバートンの10番が決まったルカク。どこかメディアをはじめ『ドログバ2世』というレッテルを貼られ たのは個人的にも好かなかったけど、メンタルではドログバ2世でいて欲しかったなあ。ファーストチョイスは貰うものじゃなくて、掴むもの。フットボールの 世界は弱肉強食。