うるとらんぷす

「チェルシー」という単語に対する反応が人より2.7倍速いチェルサポによる備忘録。

【BPL#5】"212th Memory"~マンチェスター・シティ v チェルシー~

 

プレミア頂上決戦とも言われたこの試合、今季の優勝候補筆頭である2つのチームが対戦するということ以外にこの試合を盛り上げることになったのが、ご存知ランパードの存在。ナスリとベンチで隣に座るランパードなんて2度と見たくない、そう強く思いました。はい。



両者スタメンはこちら。ウィリアンとラミレスは運動量を重視した結果の起用かと。シティはマンガラさんがコンパニとコンビを組みました。そして中盤には「イングランドが生んだ究極のオールラウンダー」ことミルナー。それではキックオフです。


〇前半のシティ(オフェンス)~ジェコ&中盤カット~
 前半シティの頭の中にあったのは「どうポゼッションをしていくか」。ウィリアンとラミレスという運動量抜群の中盤にマティッチとセスクのプレスがかかる中で、うかつにボールロストをすると一瞬でピンチを招くことになります。シティが出したアンサーはこれ。ジェコを中盤まで降ろそう。 
 


このような中盤の位置までジェコのポジションを下げることで、選手同士の距離をより短くし、ポゼッション率を高めていきました。 実際に試合中画面に表示されたポゼッション率を見てみると、序盤の割合は72%-28%でシティが圧倒的にボールを保持していたことが分かります。

 このポゼッションによってカウンターの危険性を低下させつつ、サイドからの攻撃を中心に攻めていくシティ。アクセントとして、ヤヤやシルバから中盤をカットしてBOX内に走り込んだアグエロミルナーにボールを供給していました。この中盤カット、試合の最後の最後で得点に繋がります。


〇前半のシティ(ディフェンス)~4-4ブロック~ 
 そんなポゼッション&サイド攻撃に対してチェルシーは、まあ戦前予想通り、カウンターから得点の機を伺います。が、シティの4-4ブロックの前になかなかチャンスを作れず。
 
 
この4-4ブロック(DF4枚+中盤4枚のブロックのこと)の間隔はシティはお見事で、ほとんどスペースは消されていました。もう少し 裏を狙うような動きがあれば、少しは4-4ブロックを動かしたり出来たんでしょうけど、皆無に等しかったのでシティからすれば「背後を気にせず目の前の敵 だけ見てればOK」という少々メンタル的にも余裕があったのかもしれません。
 またウィリアンやアザールがドリブルでマークを剥がしたとて、イエロー覚悟のファールでストップされチャンスは台無しに。ペ ジェグリーニはこの辺り、「イエロー貰ってもいいからカウンターは防げ」という指示出していたんじゃないかなあ。ただそういう意味ではシティはこの試合レ フェリーを務めたマイク・ディーンとの相性は悪い守り方をしていたような(結果的に一人減りましたからね)。


〇前半のチェルシー(ディフェンス)~無敵のクエ太&ボランチバランス~
 相変わらずアザールサイドを狙われるチェルシーですが、この日のクエ太はいつにも増して"Nobody can beat him"状態。ヤヤ-サバレタというホットラインや、ミルナーサバレタの連携を駆使して何とか右サイドを支配しようとしたシティでしたが、結局チェル シーの左サイドは終始守りきった番人クエ太。複数人vsクエ太で守りきれちゃうクエ太は一体何者なんでしょうか。
 対して気になったのはボランチのおふたりマティッチ&セスク。ヤヤに力押しされて侵入されたのは、まあ理解できなくも無いけど、どうもこの2人は縦の関係に なりがちなんですよね。というのも、普通はダブルボランチの場合、2人が横に並列になって位置取るんです。なぜならそれが最も相手にスペースを与えないポ ジションだから。このダブルボランチの位置関係がズレてくると、そのズレにボールが通される可能性が高くなります。加えてこの2人は2人して同サイドにプ レス行っちゃったりすることもあるので、バイタルお留守という緊急事態を招くことになるわけです。それでも比較的この試合はよく守ったかなとは思います が。

〇試合を変えた1つの退場
 チェルシーが交代をきった(ラミレス⇒シュールレ、ウィリアン⇒ミケル)直後の66分、サバレタが2枚目のイエローで退場。試 合を変えたのは、正確に言うとこれでシティがテンメンになったからではなく、この退場によってミルナーのポジションが変わったからでした。ミルナーは右 SB(サニャ)→ボランチランパード)→左SBと、言われるがままにプレー。どれだけ何でもこなせちゃうのかこの人は。そして最終的に落ち着いた左SB というポジションが、チェルシーにとっては弱みを突かれることに。
 CKからのロングカウンターで先制点をあげたチェルシーでしたが、この先制点を決めたシュールレがどうも試合に入れずふわふ わ。ゴール直後にコラロフに両足タックルでひやひやさせたと思ったら、ものすごく軽い守備対応をしたりと、虎の子の1点を守り切るには十分でないパフォー マンスでした。
 色々な事が重なり合って生まれたミルナーvsシュールレというマッチアップ。このミスマッチによって"あの"ドラマが生まれてしまったわけです。シュールレミルナーのBOX侵入を捕まえきれず、それを見逃さなかったシルバが中盤カットの パスでミルナーに。これを折り返した先に、この男、フランク・ランパード。シュートブロックに行ったのはテリー。ランパードも試合後言ってましたけど、こ の感情は言葉に表せませんでした。悔しくも嬉しくもない、まるで「無」のような感情。でも心の奥底ではそことなくランパードがまだまだトップレベルでもや れるという事に感動したり。


FT:マンチェスター・シティ 1-1 チェルシー|Lampard(85') / Schurrle(71')

 個人的にはこの試合の影の主役はクエ太とミルナーだったかなと思います。お互い異次元のところでやっていたような。ただサバレタの退場によってミルナーのポジションが動き、試合にも影響しましたね。それくらいミルナーの影響力は大きかったのかなと。
 そして当の主役ランパードは、この人はどこまでもプロフェッショナルでした。シティとのローンを延長なんていう噂もあります が、トップレベルでプレーしたいと本人が望むならとことんシティでもどこでもやったらいいと思ってます。思う存分プレーしてほしいです、またブリッジに 帰ってくるまで。